排水トラップとは、排水管内に水を溜め、下水道からの悪臭や害虫の侵入を防ぐための水封の構造のことです。排水管の一部を曲げたり、専用の器具を設置したりして、常に一定の水位を保つことで、排水管の奥とシンクなどの排水口の間に水が隔てられ、悪臭や害虫が侵入することを防ぎます。
<排水トラップの主な役割>
・悪臭の遮断:下水道からの悪臭が排水管を通ってシンクなどに侵入するのを防ぎます。
・害虫の侵入防止:害虫やネズミなどの侵入を防ぎます。
・衛生的な環境の維持:シンクなどの水回りエリアを清潔に保ちます。
トラップにはさまざまな種類がありますが、発生する不具合や故障はすべて同じです。
この後解説するような症状が出ているときには、修理を検討しましょう。
①封水が臭う
配管の底に封水が溜まるタイプは、封水の部分に汚れが沈殿しやすいです。汚れが腐敗し菌が繁殖すると、排水口から嫌な臭いがするようになります。
改善には、封水の中にある汚れを掃除して取り除かなくてはなりません。排水口や配管を掃除して改善できれば問題ありませんが、掃除してもうまくいかないときは、配管を取り外して掃除します。
家庭でもできますが、安全性を重視するなら業者に依頼した方がよいでしょう。ただ、配管の分解は業者が行う掃除の中でも費用が高額になりがちです。できるなら、症状が出る前に対策しておきたい不具合と言えます。
②封水がなくなる
封水が蒸発したり、集合住宅で大量の水が流されてサイホン現象が起きたりすると、封水がなくなります。封水がないと下水から悪臭や虫が上がってくるため、修理が必要です。
蒸発やサイホン現象によって封水がなくなった場合、水を流せば再度封水が溜まるため、改善できます。しかし、配管のゆるみやヒビにより封水が漏れ出ている状態だと、水を流してもすぐになくなってしまいます。
他に故障があり封水がなくなっている場合は、故障を修理しない限り改善できません。何度も封水がなくなる事態が発生しているなら、配管周りの故障を疑いましょう。
③トラップに汚れが詰まる
中に汚れが詰まり、配管が塞がれると水が流れなくなります。逆流や悪臭などの症状だけでなく、最悪の場合、配管も故障するため、早急な修理が必要です。
掃除やラバーカップなどの道具を使って修理できる範囲なら家庭でも対応できますが、家庭で修理しても改善できない場合は、業者の力を借りなくてはなりません。
詰まりの場合も、最悪配管を外すなどの大掛かりな修理が必要になります。このような事態を引き起こさないためにも、配管は定期的にきれいにしましょう。